平凡学徒備忘録

自分が思い付いたことを忘れないために書いていきます。経済学専攻の大学生。

営業インターン(笑)に行ったら品川駅でぶっ倒れた話 第1回

「合縁奇縁」や「一期一会」など、人との縁にまつわる言葉はたくさんあり、大抵縁は大切にすべきであるというような意味合いが込められている。ただ、思わぬ出会いが人生を豊かにすることがあるが、逆もまた然りである。世の中には不幸になる黒い縁が至る所に張られており、迂闊に動くとそれに絡めとられることも少なくない。今回は私の絡めとられた悪縁について書いていく。

注意として、これはあくまでも個人体験にすぎず、業界全体について述べたものでも、どこかの意見を代表するものでもないことをご承知いただきたい。また、その業界に努めていらっしゃる方々は不愉快になるかもしれないが、別にあなたを責めたいわけでも、否定したいわけでもない。単に1サンプルを元に自分の考えたことを述べただけである。気に障ったら「世間知らずの若造がほざいている」とでも思って無視した方がお互いにとって良い。

 

前置きはこれくらいにして、早速始めていこうと思う。

 

去年の2月くらいだっただろうか、プログラミングについてのセミナーを受けた私はそこの講師からインターンに参加してみないかと誘いを受けた。当時私は大学2年生であったが、散々兄から就活について考えておけと言われていたので、その話に乗り気になっていた。

内容については、営業をするということ、MBA講座を受けられるということ、大学生も数十名参加することなどの説明を受けた。文系はまず営業をさせられるということを聞かされていたから、業務内容についてはさほど深く突っ込まなかった。アホである。話を聞いた時、私の頭の中はハッピーセットであった。「なんといっても実際にMBAを取得した講師からビジネスについて学べるというではないか!」と。今思えばこれはエサ以外の何物でもないが、当時の無知で能天気な私がそのことに気付く由は無かった。「他大学の学生と、理論と実践を通してビジネスを学べる!」なんて大真面目に思っていた自分は、まさに釈迦の手のひらで飛び回る孫悟空にも劣る霊長類であった。

ほぼ2つ返事で「はい」と答えた私は説明会を受けにオフィスに向かった。そこで初めて何を売るかを聞かされた。商材は、プロバイダ契約である。

思えば、ここで履歴書を提出したことを棚に上げてでも引き返すべきであった。このご時世、夕飯時にかかってくるプロバイダ契約の電話を受けて喜ぶ家庭がどのくらいいるのだろうか。つい最近も、「祖母にプロバイダ契約を結ばせようとした詐欺電話を追っ払ってやったぜ!」というツイートが大量のRT、ふぁぼを稼いでたくらいである。業界の人には申し訳ないが、迷惑の代名詞とも思われるプロバイダサービスを売るよりは、まだ健康食品の方が私には売れそうな気がする。

一応言っておくが、プロバイダ契約はプロバイダ提供者だけでなく代理店に頼むというのが一般的だそうで、全てが全て詐欺業者ではない(無論、逆も然り)。それに、いくつか例外はあるものの、安くなり得することもあるそうだ。

ただ実際、話を聞いてもプロバイダ営業について魅力は露ほども感じてはいなかった。しかし、「何事も試してみてからだ」と思っていたので、そんなにも仕事内容を聞かせたくないのかと思えるほどに長く説明されたMBA講習や、インターンプログラム全体の目的に耳を傾け、晴れてインターンを始めることになった。

さて、営業方法はいたってシンプル、PCを使って電話をかけ、マニュアルに書かれた営業トークを繰り返すだけである。教えられることは、プロバイダサービスについてなどといった商材知識と、あと一つ、「マニュアルに従え」ということである。

このマニュアルへの忠実さを求められることが、私がこの事業に乗り気になれず、倒れる原因となった一つかもしれない。確かに会社としては社員に勝手に行動されて、騒ぎを起こされたくないだろうから、スクリプトを用意するのは分かるし、社員としてもマニュアルがある方が安心できる。ただ、だからこそ面白くはない。件数を獲得できれば多少は楽しい。ただそれは会社からの指示通りに動いて得たのであり、自分で創意工夫して得たものではない。要するにギャンブルと変わらない。自分で考えて実行に移せることはとても限られており、電話の相手がモノを欲しがってるかどうか、話を聞き、こちらの操作指示に合わせてくれるほどの時間的、精神的余裕がある人とは限らない。自分にできるのはハンドルを回す事だけで、打った後は運任せのパチンコとそんなに変わらないとまで言ったら言い過ぎだろうか。

にも拘らず、件数が獲得できなければ悪いのはオペレーターたる自分である。「何でマニュアル通りにしないのだ」と。無論、オペレーターに非が全くないとは思わないし、アドバイスする側としても、「運が悪かったね」で済ませるわけにもいかない。反省すべき点はある。ただやはり、マニュアルには概ね従っているわけであり、なおかつ、「十分な忠実さ」など誰にも分らない。件数が獲得できればマニュアルに従ったから成功したとみなされ、取り逃がせばマニュアルに従わなかった結果だと言われ、要するに結果論である。結果論は誰も救わない。加えて、一緒に営業していた大学生の中には早稲田出身の英語ペラペラマンがいたが、彼が必ずしも常に良い成績だったかというとそうではないので、どうも頭の良さだけではいかんともしがたい部分があったと言っていいだろう。

ただ、何人かは楽しそうに業務をこなせていたようだし、コンスタントに毎月件数獲得できる人もいた。業務が楽しかったのか職場が心地よかったのかはわからないが、ともかく、一概に社員教育が悪いとは言えない。自分には合わない作業だったということもあるだろう。

このように職務内容に不満を抱えながらも、MBA講習にも参加し(内容は大学で受けるようなものと変わらない)、4ヵ月くらいは経った。10件近く獲得できる月もあり、そこそこ環境は良かったが、やはりどうも肌の合わなさが捨てられない。インターンの日が来る度に心と足が重くなる。元々6ヵ月やるという予定であったが、月ごとの稼働時間に下限があったため、ネカフェに寝泊まりもしたし、部活も休みがちになった。なので、4ヵ月で辞退することにした。

意外にも𠮟責や引き留めるようなこともなく、あっさりと話は進んだ。もう少し早く辞めるべきであったが、生来の気弱さ故、話を切り出すのがやっとだったのである。自分の弱さとしてこのことは忘れない。

さて、いよいよ最終日1日前になったところで、最悪な事態を迎えた。

 

書いてみたら思ったより長くなってしまったので一旦ここでストップする。この話の続きはこち

 

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